この記事でわかること
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インフルエンサー200人に、それぞれ別のコードを配りたい。あるいは同梱カード5万枚に、1回使われたら失効するコードを刷りたい。Shopifyの割引画面を開くと、そこにはコードを生成するというボタンがあります。1クリックで、1コード。
検索すると、どの記事も同じことを書いています。Shopifyではできないので、アプリを入れましょう。この答えは技術的には正しいのですが、実務的には誤解を招きます。どのアプリを買うべきか、いくら払うべきかを決める情報が、ちょうど抜け落ちているからです。
Shopifyが標準でやっていること
Shopifyのプラットフォームは、1つの割引に複数のコードを持つことにすでに対応しています。DiscountCodeBasic は codes を DiscountRedeemCode のページネーション付きコネクションとして公開し、codesCount フィールドも持っています。チェックアウトはそのどれを入力されても同じ親ルールで処理し、レポートもまとめて集計します。
足りないのは管理画面です。コード割引を作るとき、Shopifyヘルプセンターが案内する選択肢は2つだけ。名前を入力するか、コードを生成するをクリックしてランダムな文字列を1つ手に入れるか。一括生成の画面はありません。
これは経験者でも取り違えます。2025年3月のShopify Communityのスレッドで、あるコメント投稿者が Discounts > Create discount set という導線を詳細に説明しました。その2週間後、本人が撤回しています。「自分でも確認し直したが、無いことに自分自身が驚いている」。質問者はすでに、その機能が存在しないスクリーンショットを投稿していました。
標準で一括作成する唯一の経路は、GraphQL Admin APIのミューテーション discountRedeemCodeBulkAdd です。非同期ジョブとして走り、1回のコールにつき250件が上限。これは割引固有の制限ではなく、shopify.devが「配列を受け取る入力引数の最大サイズは全APIで250」と明記しています。1万コードなら40回のコールとジョブのポーリングが必要です。これは運営者の作業ではなくエンジニアの作業で、このアプリカテゴリーが存在する理由そのものです。
誰も書かない天井
Shopifyヘルプセンターにはこう書かれています。「各ストアには累計2,000万件のユニークなディスカウントコードという上限があります」。そして逃げ道も塞いでいます。「サードパーティのアプリやカスタムソリューションでは、この上限を回避したり引き上げたりすることはできません」。
この数字については、大きさよりも重要な性質が2つあります。
ひとつは累計であって同時ではないこと。期限切れのコードも、予約中のコードも、無効化したコードも数に入ります。空きを作る方法は削除しかありません。
もうひとつ。この6本のうち、生成したコードの一括削除を謳っているアプリは1本もありません。月25万コードを生成するストアは7年弱で天井に到達しますが、それを巻き戻すツールが存在しないのです。
名前が似ている2つのチェックボックスは別物
このテーマで最も多く、最も高くつく誤解です。
Limit number of times this discount can be used in total(合計利用回数の上限)が、コードを1回限りにする設定です。Shopifyヘルプセンターはこれを割引単位で説明していて(200を設定すればそのコードを顧客全体で200回使える)、複数コードのセットでどう振る舞うかは明示していません。この挙動について最も明確に書かれている公開資料はSegunoのサポートドキュメントで、上限はセット内の各コードに適用され、「setting the value to 1 ensures each code can be redeemed only once」とあります。マーチャントの報告とも一致しますが、Shopifyの記述ではなくベンダーのドキュメントです。5万枚のカードを印刷に回す前に、小さいセットで挙動を確認してください。
Limit to one per customer(顧客1人につき1回)はまったく別の制御です。割引全体に対して働き、顧客のメールアドレスまたは電話番号で追跡します。BFCM-15 を使った買い物客は、その後 BFCM-15A も BFCM-15B も、その親割引配下のすべてのコードを使えなくなります。1世帯に1コードを郵送してリピート購入を期待する設計では、これは真逆の挙動です。
関連する罠がもうひとつ。割引を削除して同じものを作り直すと、顧客1人につき1回の履歴がリセットされます。すでに使った人が全員また使えます。キャンペーンが崩れたときの「削除して作り直す」は、修正ではなく粗利の穴です。
エクスポートはできる。インポートはできない
Shopifyは管理画面から割引をCSVへエクスポートできます。しかし受け取ることはできません。ヘルプセンターの表現は明快です。「CSVファイルを使ってストアにディスカウントコードをインポートすることはできません」。
この非対称性が、複数のアプリがCSVインポートを前面に出す理由です。印刷業者が生成したコード、代理店が発行したコード、他プラットフォームから移行したコード。すでにリストがある場合、標準のShopifyには入口がありません。
Shopify Plusが変えるもの、変えないもの
この領域にPlus限定の機能はひとつもありません。Plusが買うのはAPIのスループットです。GraphQLは毎秒1,000ポイント、BasicとGrowは100、Advancedは200。同じ20万コードのジョブが早く終わる、それだけです。Seguno自身のFAQもこの効果に触れていますが、条件付きです。「if you're on Shopify Plus with the Grow plan」、つまりSeguno側のGrowプランであることが前提になっています。
皮肉なのは、Plusのマーチャントがこれらのアプリにより多く払うことです。以下で見ます。
そもそもアプリが要らないケース
まとめ記事が絶対に書かないので、はっきり書いておきます。
パートナーごとに共有コード1本で足りるなら(Janeには JANE20、Mikeには MIKE20)、標準のShopifyで完結します。粗利保護のために合計利用回数の上限を設定し、コードがクーポンサイトに流出しうることを受け入れるだけです。小規模なインフルエンサープログラムの相当数は、これ以上を必要としません。
社内にエンジニアがいて、必要なのが一度きりなら、discountRedeemCodeBulkAdd を250件ずつ回すスクリプトは半日仕事です。5,000コードを1回作るだけにサブスクリプションは要りません。
ここから先は、コードを書かずに、繰り返し、ユニークなコードが必要な場合の話です。
アプリ6本を、実際に違う軸で比較する
すべての数値は2026年9月2日にen-USロケールのApp Storeリスティングで確認しました。ja-USロケールでも料金・評価・レビュー件数に差はありませんでした。このカテゴリーの評価とレビュー件数は週単位で動くので、導入前に再確認してください。
| Bulk Discount Code Bot | Bulk Discount Codes Generator | Bulk Discount Code Generator | BulkBunny︱ Bulk Discount Codes | MyBulk ‑ Bulk Discount Creator | Amai Bulk Discount Codes | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 開発元 | Seguno | UAB Xantho | Entafix | App Attic | Space Squirrel Ltd. | Amai |
| Built for Shopify | あり | あり | あり | あり | なし | なし |
| 評価(レビュー数) | 4.9(258) | 5.0(57) | 5.0(35) | 4.4(4) | 4.4(142) | 4.4(8) |
| 課金の単位 | 無料枠は割引セット数 | なし(定額) | 月あたりコード数 | 無料枠は総コード数 | 生成セット単位 | 自店のShopifyプラン |
| 最低価格 | 無料(3セット) | $9.85/month | 無料(250コード/月) | 無料(10,000コード) | 無料インストール+$1/回 | $6.95/month |
| 無制限プラン | $19/month | $9.85/month | $14.99/month | $14.99/month | なし | $6.95〜$19.95/month |
| 無料体験 | 10日 | 7日 | なし(無料プラン) | なし | なし | なし |
| Shopify Plus | Basic利用不可→$99/month | 追加なし | 追加なし | $34.99(通常$14.99) | 追加なし | $19.95のプラン |
| CSVエクスポート | あり | あり | あり+XLSX | Shopify側で処理 | あり | 記載なし |
| CSV・一括インポート | あり(2万件貼付orCSV) | あり | あり | あり | 記載なし | あり |
| Shopify Flow | あり | なし | なし | なし | あり | なし |
| 分析機能 | 唯一の本格実装 | なし | Pro以上 | なし | なし | なし |
| コードの一括削除 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
探す前に名前の衝突を確認してください。Entafixのアプリは Bulk Discount Code Generator、UAB Xanthoのアプリは Bulk Discount Codes Generator。1文字違いです。さらに bulk-discount-code-generator というURLスラッグは、SaleXというまったく別のアプリが押さえています。
Bulk Discount Code Bot

出典: Shopify App Store(Bulk Discount Code Bot、2026-09-02時点)
「どのチャネルがこの売上を生んだか」に答えられる唯一のアプリです。キャンペーン別・チャネル別の売上、償還数、AOV。有効期限や適用条件の設定漏れを検出するdiscount risk audit。KlaviyoとGorgiasへの連携。解約してもコードは使える状態のまま残り、停止されるのは新しいセットの作成だけです。
問題は構造的なところにあります。$19/monthのBasicプランの1つ目の機能項目は、そのまま「Not available for Shopify Plus」と書かれています。PlusのストアはGrowの$99/monthから。もっともKlaviyoとGorgiasの連携も$99側にあります。約258件のレビューのうち低評価はごくわずかですが、開発元の返信に有用なものがひとつあります。セット作成が失敗するのは「選択したコード長では要求された件数を作れない」ときだ、というものです。大きなバッチが失敗したら、問い合わせる前にコードのパターンを長くしてみてください。
Bulk Discount Codes Generator

出典: Shopify App Store(Bulk Discount Codes Generator、2026-09-02時点)
「Dyno」という名前で知られていますが、その表記はリスティングの正式名称のどこにも出てきません。プランは1つ、$9.85/monthで無制限生成、CSVの入出力に対応します。双方向のCSVがリスティングに明記されていて、Shopifyがエクスポート専用であることへの直接の回答になります。SegunoもCSVインポートに対応しているので唯一ではありませんが、それを最も安く手に入れられる場所です。
Flowなし、Klaviyoなし、分析ダッシュボードなし。共有可能なディスカウントリンクは生成できずコードのみで、唯一の星4レビューには「ended up making new links in Sheets, but that can be tricky with formulas and hyperlink formatting」として4,000本のリンクをスプレッドシートで作った話が書かれています。57件のレビューに星3以下は1件もありませんが、Segunoより母数が小さいことは踏まえて読むべきです。
このカテゴリーで最も鋭い結論はここです。Shopify Plusなら、これが最も安い無制限プランです。Plusに追加料金を課さない唯一のアプリだからです。 $9.85に対して、$99、$34.99、$19.95。
Bulk Discount Code Generator

出典: Shopify App Store(Bulk Discount Code Generator、2026-09-02時点)
価格あたりの生成量が最も良く、実際の生成を含む継続的な無料枠を持つ唯一のアプリです。毎月250コードまで無料。Premiumは$2.99/monthで5,000コード、Proは$4.99/monthで10,000コードと統計ダッシュボード、Unlimitedが$14.99/month。年払いで16〜17%割引になります。CSVに加えてXLSXを出力できるのもこのアプリだけで、印刷業者へファイルを渡す運用では効きます。
注意が2点。クォータは毎月リセットされるので、年1回5万コードのバッチが必要なだけでも、その月はUnlimitedを買うことになります。もうひとつ、リスティングで要求しているデータアクセスの範囲が広く、全注文履歴に加えて位置情報とIPが含まれます。データ最小化の方針が厳しいストアは確認してください。35件のレビューはすべて星5ですが、これは母数の小さい完璧さであって、実績の証明ではありません。
BulkBunny︱ Bulk Discount Codes

出典: Shopify App Store(BulkBunny︱ Bulk Discount Codes、2026-09-02時点)
単発キャンペーンに対して最も気前のよい無料枠です。「Create up to 10,000 codes in 3 sets」が無料。インフルエンサー施策1回、あるいは印刷1回で、継続的な必要がないなら、これで話が終わる可能性があります。
その先は、Plusストアが同じ機能に優先サポートが付くだけで$34.99/month、通常は$14.99/monthという価格差があります。レビュー4件では傾向は語れませんが、App Atticが星1レビューへ返信した内容はカテゴリー全体に効きます。「コードのエクスポートは当社のアプリではなくShopifyが処理している」。Segunoも2021年にレビュアーへ同じ説明をしています。CSVエクスポートと書いてあるとき、アプリ自身が出力しているのか、Shopify標準の割引エクスポートへ戻されるだけなのかは確認する価値があります。
MyBulk ‑ Bulk Discount Creator

出典: Shopify App Store(MyBulk ‑ Bulk Discount Creator、2026-09-02時点)
このカテゴリー最古のアプリで、2017年10月にリリースされました。2017年末から2018年初頭のレビューは、これを「取り下げられたShopify純正の無料一括割引ツールの有料版」として語っています。リスティング自体にその記載はありませんが、初期のマーチャントたちはそう書いています。唯一の従量(1回払い)モデルで、「$1 set with up to 10,000 codes, $3 up to 100k, $5 up to 250k」。1バッチの上限も最大で、「Create up to 250,000 codes in one go」と明記しています。Shopify Flowにも対応します。
計算すると驚きます。年2回10万コードを生成するマーチャントの年間支出は$6。Seguno Basicなら$228です。
問題は安定性で、しかもこれは過去の話ではありません。約8年このアプリを使っている米国のマーチャントiHeartRavesは2026年1月に書いています。「WHY IS THERE ALWAYS AN ERROR WHEN CREATING THE CODES」。同じく長期利用のFIGSは2025年12月、コード生成が「incredibly slow to generate. Takes hours for one batch」で、詰まったバッチが次のバッチの実行をブロックしたと報告しています。2022年のレビュアーは大きなリストを誤った割引タイプで読み込んでしまい「no way to correct it at all」、削除して入れ直したらコードが無効になり3,800人の顧客に影響したと書いています。Space Squirrelは21件の低評価レビューのいずれにも公開返信していません。
料金への不満も約9件と別のかたまりを作っていますが、こちらは2017年から2018年初頭、Shopify純正の無料ツールから移行した時期のものです。現在の課題と混ぜて読まないでください。
まれで、巨大で、締切のないバッチにはこのアプリが向きます。BFCMの締切が付いている作業には使わないでください。
Amai Bulk Discount Codes

出典: Shopify App Store(Amai Bulk Discount Codes、2026-09-02時点)
利用量ではなく、自店のShopifyプランで価格が決まります。Basicで$6.95/month、Growで$8.95、Advancedで$12.95、Plusで$19.95。この$6.95がカテゴリー最安の入口です。無料プランも無料体験もないため、評価するには課金が必要です。CSVエクスポートはリスティングの機能欄に記載がなくカテゴリータグから推測できるだけなので、未確認として扱ってください。
レビュー8件では何も一般化できません。ただしそのうち1件が、今回の調査で最も有用な一文を生んでいます。ある米国のマーチャントが2024年10月に、「Unlimited Code Generation」と売られているプランで「only allows up to 7000 discount codes and this is not advertised anywhere」と報告しました。Amaiの返信はアプリ側の上限を否定し、1回で約7,000コードを生成する際のShopify側のタイムアウトだとして、バッチを分割するよう案内しています。
これは1社の問題ではなく、カテゴリー全体の教訓として読むべきです。無制限とは累計で無制限という意味であって、1回の実行で無制限という意味ではありません。 どのアプリを選ぶにせよ、大規模キャンペーンは複数バッチ前提で計画してください。
選び方
パートナーごとに共有コード1本で足りる → 標準機能のまま、アプリ不要。
単発キャンペーン、1万コード以下、予算ゼロ → BulkBunnyの無料枠。継続的に月250コード以下ならEntafixの無料枠。
継続的に中程度の量、コスト重視 → EntafixのBulk Discount Code Generator。$4.99/monthで10,000コードと分析は他にありません。ただし全注文履歴のスコープが許容できる場合に限ります。
コードだけでなくアトリビューションが必要 → Bulk Discount Code Bot。すでにKlaviyoやGorgiasを使っていて継続的にキャンペーンを回すなら、レポートの問いに答えられるのはこれだけです。
Shopify Plusを使っている → UAB XanthoのBulk Discount Codes Generator、$9.85/month。他のPlus加算は金額が大きく、根拠も見えません。
まれで巨大で締切のないバッチ → MyBulk。ただし上記の安定性の注記は本気で受け止めてください。
そしてどれを選んでも、2,000万コードの天井からの出口を初日に設計してください。ここに挙げたどのアプリも、後片付けはしてくれません。
参考・出典
- Shopifyヘルプセンター - ディスカウントコード
- Shopifyヘルプセンター - 割引率と固定金額のディスカウント
- Shopifyヘルプセンター - ディスカウントコードをエクスポートする
- Shopifyヘルプセンター - ディスカウントを管理する
- Shopifyヘルプセンター - 自動ディスカウント
- shopify.dev - discountRedeemCodeBulkAdd
- shopify.dev - API rate limits
- shopify.dev - Build discount experiences
- Seguno - Bulk Discount Code Bot FAQ
- Shopify Community - How to generate enormous amount of discount codes
- 上記6アプリのShopify App Storeリスティングおよびレビューページ(2026年9月2日時点)
Customerオブジェクトに生年月日のフィールドは無い。しかしShopifyは Birth date という標準メタフィールド定義(予約キー facts.birth_date)を用意し、年を無視して繰り返し日付を判定する anniversary('metafields.facts.birth_date') というセグメント関数を持ち、Shopify Messaging には Celebrate customer birthday オートメーションがある。保存・セグメント・送信は標準で完結する。標準が弱いのは収集で、Shopify Formsは自分で設定したメタフィールドに書き、Plus限定のCheckout BlocksのBirthdayテンプレートは注文メタフィールドに保存され、Shopify自身の注記どおり顧客プロフィールには反映されない。実在アプリ5本をUSD料金付きで比較。2026年9月3日調査。